新公共交通システム(SAV)実現へ向けての取り組についてご紹介します。オンデマンド乗り合いタクシー(バス)が未来の公共交通機関のあり方を変えます。
SAVとは
Smart Access Vehicle(SAV)とは、公立はこだて未来大学およNPO法人スマートシティはこだてが主催する新公共交通システム実験プロジェクトにおけるシステム名です。
産業技術総合研究所にて研究・開発に取り組んだアルゴリズムを活用し、近未来の公共交通システム実現へ向けて取り組んでいます。
乗客のスマートフォンから送信された乗車・降車地点と、SAVの現在位置・空席状況からSAVクラウドが最適な配車を計算し、SAVへ搭載されたタブレットへ運行指示を送ります。
SAVのメリット
SAVの導入により以下のメリットを享受できます。
- 乗り合いバス(固定ルート、定刻運用)
- 無乗客運行区間の削減
- タクシー(1 to 1 サービス)
- 乗り合いによる乗客運送効率の向上
- 客待ち、客探し時間の排除
- 乗客
- 行き先、乗車時刻が指定可能なバスサービス
- 乗り合いによるタクシー運賃の低減
アットウェアの取り組み
2015/5/30〜6/1の4日間にわたる函館での実証実験へ向けて、クラウド、スマートデバイスアプリケーションの開発と実験準備、当日の運用をサポートしました。
アーキテクチャ
スマートデバイスと通信するREST APIをAWS上に構築、AISTが持つ人工知能がバックグラウンドで最適解を計算しています。SAVクラウドの実行ログは全てfluentdでLog DBへ格納され、乗客からのリクエスト、SAVのドライブルート、人工知能の計算結果、到達予定時刻と実際の到達時間の差などがブラウザ上で再現できる仕組みとなっています。
アプリケーション
乗客は専用アプリケーションにて乗降位置を指定、配車計算が終わるとSAVの到着予定時刻、SAVの現在位置が通知されます。SAVドライバーには向かうべき場所が指示されます。オペレーターは全てのSAVの状態と現在位置をモニタリングし、ドライバーに代わって操作することができます。ログビューアーでは時刻のスライダーで刻々と変化する状態を可視的に再現することができます。
実験を終えて
AWSの採用により、数百人の乗客、数十台のSAVの同時利用想定を想定したストレステストにも柔軟な対応が取れました。
実験を重ねる毎に不慣れな乗客、ドライバーへ対するシンプルなUIの検討が進み、利用者の学習コストも低減されてきています。
利用者の動きを観察すると、終日乗り放題の相乗りタクシーとして十分利用価値のあるサービスが提供できると感じています。
今後も本システム、サービスの実運用へ向けて協力を進めていきます。